Creality Hyper PETG フィラメント バンドル 2KG (透明 2パック) レビュー
3Dプリンターのフィラメントは、出力結果に大きく影響する重要な要素です。今回、Creality Hyper PETG フィラメント バンドル (1.75mm, 2KG, 透明 2パック) を入手し、K1 Max および Ender 3 V3 SE/KE といった高速印刷に対応したプリンターでの使用感をレビューします。PLAフィラメントと比較し、PETGならではの特性や、高速印刷への適合性、そしてCreality Hyperシリーズならではの利点などを深掘りしていきます。
開封と第一印象
届いたバンドルは、しっかりとした箱に梱包されており、製品への信頼感がありました。2つの透明な2KGスプールが収められており、見た目もシンプルで好感が持てます。スプールの巻き取りも均一で、フィラメントの乱れや絡まりは見られませんでした。PETG特有の若干の硬さと、滑らかな表面が手に伝わってきます。±0.03mmという高い寸法精度も期待させます。
高速印刷への適合性
このHyper PETGフィラメントの最大の特徴は、30-600mm/sという驚異的な高速印刷速度に対応している点です。K1 MaxやEnder 3 V3 SE/KEのような高速プリンターでこそ、その真価を発揮すると期待していました。実際に、推奨速度範囲内で印刷してみましたが、レイヤー間の接着性や表面の滑らかさは非常に良好でした。特に、高速印刷時に問題となりやすい糸引きや、積層痕の目立ちやすさといった点が、このフィラメントでは抑制されているように感じました。PLAでは限界を感じる速度域でも、Hyper PETGは安定した印刷品質を維持してくれます。
PLAとの比較
PLAフィラメントと比較すると、PETGは一般的に強度、耐熱性、耐久性に優れています。Hyper PETGもその例に漏れず、印刷物の機械的強度は高く、日常的な使用に耐えうる仕上がりとなります。また、PLAよりも耐熱性が高いため、ある程度の温度がかかる場所での使用にも適しています。透明度に関しても、PLAの透明フィラメントと比較して、よりクリアで光沢のある仕上がりとなる印象です。ただし、PETGはPLAに比べて吸湿しやすい傾向があるため、保管には注意が必要です。
印刷設定と調整
推奨印刷温度は230-250℃、ベッド温度は70-80℃でした。これは一般的なPETGの範囲内ですが、高速印刷を考慮すると、より精密な温度管理が重要になります。何度かテスト印刷を繰り返す中で、ノズル温度は240℃、ベッド温度は75℃が最も安定した結果をもたらしました。冷却ファンは、低速印刷時よりも少し弱めに設定することで、レイヤー間の接着性を高めることができました。ただし、これはプリンターの性能や使用環境によって微調整が必要です。
寸法精度 ± 0.03 mm の実力
±0.03mmという高い寸法精度は、実際に印刷してみて実感できました。特に、嵌合部品や精密な形状のモデルにおいて、その効果は顕著でした。公差の厳しい部品も、わずかな隙間や干渉もなくスムーズに組み立てることができました。これは、フィラメントの直径が一定に保たれていること、そして品質管理が徹底されている証拠と言えるでしょう。
透明度の評価
「透明」という点においても、このフィラメントは期待に応えてくれました。印刷物は非常にクリアで、内部構造や細部がしっかりと確認できます。光にかざすと、まるでガラスのような透明感があり、意匠性の高いモデルの制作にも最適です。ただし、PETG特有のわずかな黄みが、PLAのクリスタルクリアな透明感とは若干異なります。しかし、これはPETGの特性として許容範囲であり、むしろ温かみのある透明感とも言えます。
Geek 3Dプリンターとの相性
Creality Hyper PETGは、Crealityの高速プリンターであるK1 MaxやEnder 3 V3 SE/KEに最適化されているとのことで、実際の相性は非常に良好でした。これらのプリンターの高速性を最大限に引き出しつつ、安定した印刷品質を実現してくれます。初めてHyper PETGを使用するユーザーでも、比較的容易に高品質な印刷結果を得られるでしょう。
まとめ
Creality Hyper PETG フィラメント バンドル (1.75mm, 2KG, 透明 2パック) は、高速印刷に特化したPETGフィラメントとして、非常に優れた製品です。特に、K1 MaxやEnder 3 V3 SE/KEといった高速プリンターユーザーにとっては、印刷速度と品質の両立を可能にする強力な選択肢となります。高い寸法精度、良好な強度、そして美しい透明度は、様々な用途での活用を可能にします。PLAからのステップアップを考えている方、あるいは高速印刷でより高品質な出力を目指したい方には、強くおすすめできるフィラメントです。PETGの特性を理解し、適切な設定を行うことで、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。
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