TPUフィラメント ブルー 1Kg TINMORRY 3Dプリンター用造形材料 レビュー
開封と第一印象
今回レビューするのは、TINMORRY製のTPUフィラメント、カラーはブルー、重量は1Kgの製品です。3Dプリンターの造形材料として、その特性から様々な用途で注目されているTPU(熱可塑性ポリウレタン)ですが、特にこの透明感のあるブルーは、どのような仕上がりになるのか興味がありました。ロールの梱包はしっかりしており、輸送中のダメージを防ぐ配慮が感じられました。フィラメント自体は、真空パックされており、湿気対策も万全であることが伺えます。開封したてのフィラメントは、均一な太さと、鮮やかな透明ブルーが印象的でした。触り心地は、他のPLAやABSフィラメントとは異なり、しなやかで弾力があるのがすぐに分かります。この弾力性が、TPUの最大の特徴であり、今回の造形における期待値も高まります。
造形準備と設定
TPUフィラメントは、その特性上、他のフィラメントとは異なる設定が必要となります。一般的に、PLAなどに比べて低い造形速度が推奨されます。これは、フィラメントがエクストルーダー内で急激に引き伸ばされたり、ベッディングしたりするのを防ぐためです。また、リトラクション設定も重要で、引き戻し量を少なく設定しないと、糸引き(ストリング)の原因となります。今回使用した3Dプリンターは Ender 3 V2 で、ホットエンド温度は 220℃、ベッド温度は 60℃ に設定しました。造形速度は、通常のPLAよりもかなり遅い 20mm/s としました。ノズル径は 0.4mm です。TPUは吸湿しやすい性質があるため、使用前に十分な乾燥を行うことが推奨されます。乾燥機やデシケーターなどを使用し、フィラメント内の水分を除去することで、造形品質が格段に向上します。この点に注意して、造形に臨みました。
造形テストと結果
早速、いくつかのテスト造形を行いました。まず、小型のキーホルダーを造形してみたところ、表面は滑らかで、透明感のあるブルーが綺麗に表現されました。TPU特有のしなりがあり、曲げても割れる心配がありません。これは、携帯電話ケースや、衝撃吸収が必要な部品などへの応用が期待できる仕上がりです。次に、少し複雑な形状の部品も造形しましたが、層間接着も良好で、剥離もほとんど見られませんでした。ただし、前述したように、造形速度が遅い分、造形時間は長くなります。また、リトラクション設定が不十分だと、やはり糸引きが見られました。しかし、適切な設定を見つければ、非常に高品質な造形が可能であることが分かりました。フィラメントの太さも安定しており、エクストルーダーでの詰まりなども発生せず、安定した吐出が得られました。
TPUフィラメント ブルー TINMORRY の利点と欠点
このTINMORRY製TPUフィラメントの最大の利点は、その優れた柔軟性と耐久性です。衝撃に強く、曲げたり伸ばしたりしても壊れにくいため、機能的な部品の製造に適しています。また、透明感のあるブルーは、デザイン性を高め、光を透過する造形物を作成する際に、独特の魅力を発揮します。例えば、LEDライトを仕込んだ装飾品や、ランプシェードのようなものも綺麗に仕上がるでしょう。
一方、欠点としては、造形難易度がやや高めであることが挙げられます。前述したように、低い造形速度や繊細なリトラクション設定が求められます。また、TPUは吸湿しやすいため、保管には注意が必要です。湿気を吸ってしまうと、造形中に気泡が発生し、表面が荒れたり、強度が低下したりする原因となります。そのため、密閉容器での保管や、定期的な乾燥が不可欠となります。
まとめ
TINMORRY製のTPUフィラメント、ブルーカラーは、高品質で柔軟性・耐久性に優れた造形材料でした。特に、美しい透明ブルーは、様々なクリエイティブな用途で活用できるポテンシャルを秘めています。TPUフィラメントの扱いに慣れている方や、柔軟性・耐久性を重視した造形をしたい方には、非常におすすめできる製品です。造形設定に多少の慣れは必要ですが、それをクリアすれば、期待以上の仕上がりを得られることでしょう。価格帯を考慮しても、コストパフォーマンスにも優れていると感じました。
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