RESIONE TH-BJDタフレジン (特白) レビュー
RESIONE TH-BJDタフレジン、特に特白カラーの1000mlボトルを、筆者の愛機である405nm LCD MSLA 3Dプリンターにて数週間、様々な形状の造形に試してみました。結論から申し上げますと、このレジンはBJD（ボールジョイントドール）のような、高い寸法精度と表面の滑らかさ、そして経年劣化への強さが求められる用途において、非常に優れたパフォーマンスを発揮する製品だと感じています。
開封と第一印象
ボトルはしっかりと梱包されており、輸送中の漏れなども一切ありませんでした。特白というカラー名通り、開封したレジンは非常に澄んだ白色で、不純物の混入は見られません。粘度は、一般的な光造形レジンと比べるとやや高めに感じましたが、これは後述する造形性にも影響してくる要素でしょう。光硬化標準樹脂として、405nmの波長に対応している点も、多くのユーザーにとって安心材料となります。
造形性能：精度とディテール
最も期待していた形状精確という点について、このレジンは期待を裏切りませんでした。特に、BJDの関節部分や細かい装飾など、繊細なディテールの再現性に目を見張るものがあります。収縮率が低いため、複雑な形状でも反りや歪みが非常に少ない印象です。これは、複数パーツを組み立てるBJDにおいては、嵌合精度に直結するため、非常に重要なポイントとなります。
また、耐摩耗性・耐スクラッチ性についても、実際に造形したサンプルを触ってみてその効果を実感しました。一般的なレジンでは、表面に傷がつきやすく、塗装の剥がれなども懸念されますが、TH-BJDタフレジンで造形したものは、指で強くこすっても傷つきにくいという印象です。これは、完成したドールを長く美しい状態で保つ上で、非常に大きなアドバンテージとなります。
表面処理と塗装の乗り
造形後の表面の滑らかさも特筆すべき点です。サポート材の跡も比較的容易に除去でき、研磨作業においても、粉塵が少なく、スムーズに進みました。これは、作業者の負担軽減にも繋がるでしょう。
塗装の乗りについても問題ありませんでした。プライマーを吹いた後、アクリル塗料やラッカー塗料で塗装しましたが、塗料の密着性も良好で、剥がれにくい印象です。特に、黄変しにくいという特性は、長期的な視点で見ると非常に魅力的です。時間経過とともにレジンが黄ばんでしまうと、せっかくの塗装も台無しになりかねませんが、このレジンであれば、その心配も軽減されます。
光硬化標準樹脂としての汎用性
405nm LCD DLP MSLA 3Dプリンター向けと明記されている通り、市販の多くの光造形プリンターで問題なく使用できる汎用性の高さも評価できます。筆者のプリンターでも、露光時間の調整は必要でしたが、特別な設定を施すことなく、安定した造形が得られました。
まとめ
RESIONE TH-BJDタフレジン (特白) は、BJDなどの高精度かつ耐久性を求める造形において、非常に優れた選択肢となり得ます。形状精確性、耐摩耗性・耐スクラッチ性、黄変しないという特性は、これらの用途に最適化されていると言えるでしょう。表面の滑らかさや塗装の乗りも良好であり、造形から完成までのプロセス全体で、ユーザーに満足感を与えてくれる製品です。価格帯はやや高めかもしれませんが、その品質に見合うだけの価値は十分に感じられました。BJD制作者や、精巧なモデルを造形したい方には、自信を持っておすすめできるレジンです。1000mlという大容量も、頻繁に造形を行うユーザーにとっては経済的でありがたい点です。
上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください
