ELEGOO ABSライク3.0プラス レジン レビュー
ELEGOO ABSライク3.0プラス（1000g）は、3Dプリンターユーザーの間で評価の高い「ABSライク」レジンの最新バージョンです。特に、半透明、高耐熱性、高速硬化、非脆性といった特徴が強調されており、アップグレードされたLCD/DLPプリンターでの使用に最適化された405nm UV硬化型フォトポリマー樹脂として期待されています。今回は、このレジンの使用感を詳細にレビューしていきます。
開封と第一印象
1000gという大容量ボトルは、頻繁にレジンを交換するヘビーユーザーにとっては経済的でありがたい存在です。ボトル自体のデザインはELEGOOの標準的なもので、使いやすさに配慮されています。キャップを開けると、特有のレジンの匂いがしますが、比較的穏やかで、換気をしっかり行えば問題ないレベルです。半透明という特性は、光の透過率に影響を与えるため、プリントの精度や硬化時間への影響が気になるところです。
プリントテストと設定
今回、いくつかのテストプリントを行い、その性能を検証しました。使用したプリンターはLCD方式の3Dプリンターです。メーカー推奨のプリント設定を参考に、まずは標準的なパラメーターで開始しました。
硬化時間と精度
高速硬化という謳い文句通り、従来のレジンと比較して、一層あたりの露光時間が短縮されていることを実感しました。これにより、プリント全体の時間が大幅に短縮されるため、生産性が向上します。また、高精度という点も、実際のプリント結果で確認できました。細部のディテールが潰れることなく、シャープに再現されています。特に、小さな文字や複雑な形状のパーツをプリントした際に、その精度が際立ちました。
強度と耐久性（非脆性）
ABSライクレジンといえば、その非脆性が大きな魅力です。今回の3.0プラスも例外ではなく、プリントされたモデルは触ってみると適度なしなりがあり、脆さを感じさせません。落下させても割れにくく、ある程度の衝撃に耐えうる強度を持っています。これは、機能的なパーツや、多少の負荷がかかる可能性のあるモデルを作成する際に非常に有利です。
耐熱性
高耐熱性は、特に温度変化のある環境で使用されるパーツや、後処理で熱を加える場合に重要となります。今回のテストでは、プリント後に温風を当てたり、ある程度の熱源の近くに置いたりしましたが、変形や軟化といった兆候は見られませんでした。これにより、より幅広い用途での使用が可能になります。
半透明性
半透明の特性は、デザイン性の向上に貢献します。光が内部にわずかに透過することで、独特の奥行き感や質感が生まれます。また、細部が光に照らされることで、より立体的に見える効果もあります。ただし、完全に透明ではないため、内部構造の完全な視認性を求める場合は注意が必要です。
後処理について
IPA（イソプロピルアルコール）での洗浄や、UV硬化といった標準的な後処理は、特に問題なく行えました。高速硬化の恩恵は、UV硬化の際にも感じられ、以前のレジンよりも短時間でしっかりと硬化させることができました。
まとめ
ELEGOO ABSライク3.0プラスレジンは、その名の通りABSライクな特性を高いレベルで実現した、非常に優れたレジンと言えます。高速硬化による生産性の向上、高精度による精緻なプリント、非脆性による実用性の高さ、そして高耐熱性による幅広い用途への対応力。これらすべてがバランス良く統合されており、LCD/DLPプリンターユーザーにとって、非常に満足度の高い選択肢となるでしょう。半透明という特性も、クリエイティブな表現の幅を広げてくれます。1000gという容量も、コストパフォーマンスの面で優れています。3Dプリンターでの造形クオリティをさらに向上させたい方、より実用的なモデルを作成したい方には、自信を持っておすすめできるレジンです。
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