RESIONE SP64 標準PROレジン レビュー
3Dプリンターで様々な造形物を制作する中で、レジンの選択は造形物の品質を大きく左右する重要な要素です。今回、RESIONE 3Dプリンターレジン SP64 標準的なPROレジンを試す機会を得ましたので、その使用感や造形品質について詳細なレビューをお届けします。特に、マットでシャープなディテール、使いやすさ、そして405nm LCD/DLP/MSLA光造形3Dプリンターとの互換性に注目して、私の感想をまとめました。
開封と第一印象
届いたパッケージは、ブランドイメージに沿った洗練されたデザインで、期待感を高めてくれます。ボトルは遮光性が高く、安全に保管できる配慮が感じられました。開封時の匂いは、一般的なUVレジンと比較して刺激臭が少なく、比較的マイルドだったのが好印象です。これは、長時間の作業や、換気の十分でない環境での使用において、ユーザーフレンドリーな点と言えるでしょう。
造形テスト：設定とプロセス
私は、普段使用している405nm LCD光造形3Dプリンターで、様々な形状のテストピースを造形しました。RESIONE SP64は、標準的なPROレジンと謳われているだけあり、設定は比較的容易でした。メーカー推奨の露光時間やリフト高を参考に、いくつかのパラメーターを微調整することで、短時間で最適な設定値を見つけることができました。特別なプリンターや複雑な設定は必要なく、初心者の方でも安心して使用できると感じました。
ディテールの再現性
このレジンの最大の特徴の一つは、マットでシャープなディテールの再現性です。実際に造形されたモデルを見て、その精巧さに驚きました。特に、細かいテクスチャやエッジ部分のシャープさは、従来の光沢のあるレジンでは表現しきれなかったレベルであり、フィギュアやミニチュアなど、ディテールが命となる造形物において、その真価を発揮します。表面は光沢がなく、落ち着いたマットな質感で仕上がるため、塗装前の下地としても非常に適しています。
造形物の強度と耐久性
PROレジンというだけあって、造形物の強度と耐久性も十分に満足できるレベルです。テストピースを実際に触ってみると、ある程度の柔軟性も持ち合わせており、脆すぎず、かといって柔らかすぎない、絶妙なバランスであることがわかります。これにより、多少の衝撃にも耐えうる、実用的な造形物を作成することが可能です。
後処理の容易さ
IPA（イソプロピルアルコール）での洗浄は、非常にスムーズに行えました。未硬化のレジンがしっかりと洗い流され、表面にベタつきが残ることはありませんでした。二次硬化（UV硬化）も、通常通り行うことで、しっかりと硬化し、表面はサラサラとしたマットな仕上がりになります。後処理のプロセス全体を通して、ストレスを感じることはほとんどありませんでした。
様々な用途への適応性
RESIONE SP64は、その優れたディテール再現性と適度な強度から、フィギュア、ミニチュア、プロトタイピング、さらには機能的なパーツの作成まで、幅広い用途に活用できるポテンシャルを秘めています。特に、デザイン性の高いモデルや、細部までこだわりたい作品制作において、このレジンは強力な武器となるでしょう。
まとめ
RESIONE 3Dプリンターレジン SP64 標準的なPROレジンは、マットでシャープなディテール、使いやすさ、そして優れた造形品質を兼ね備えた、非常にバランスの取れたUVレジンです。刺激臭が少なく、後処理も容易であるため、3Dプリンターユーザーであれば、一度は試してみる価値のある製品だと断言できます。特に、精巧なディテールを求める方、マットな質感の造形物を制作したい方、そして初心者から上級者まで、幅広い層のユーザーにおすすめできます。価格帯も、その品質を考慮すれば十分に納得できるものであり、今後の3Dプリンター造形に新たな可能性をもたらしてくれるでしょう。
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