eSUN Silk PLA (ダークイエロー) 3Dプリンターフィラメント レビュー
製品概要
今回レビューするのは、eSUNから発売されている「eSUN Silk PLA 3Dプリンターフィラメント シルク PLA 寸法精度+/- 0.05mm、1.75mm径 3Dプリンター用 正味量1KG (2.2LBS) スプール造形材料PLA材料 (ダークイエロー)」です。シルクPLAという名前の通り、独特の光沢感と滑らかな表面が特徴のフィラメントで、特に装飾品やディスプレイモデルなどの造形に適しています。ダークイエローという色合いは、深みがあり落ち着いた印象を与えるため、様々なオブジェクトに高級感をもたらしてくれることが期待できます。
開封と第一印象
届いた箱を開けると、しっかりと梱包されたスプールが登場します。スプール自体も頑丈そうで、フィラメントの巻き取りも丁寧に行われています。ダークイエローの色は、写真で見るよりもやや深みがあり、実物の方がより魅力的だと感じました。触ってみると、PLA特有のサラサラとした感触で、特に何か異臭がするといったこともありませんでした。同梱されていた説明書には、推奨印刷温度などが記載されており、初めて使用する際にも安心感がありました。
印刷設定とテスト印刷
eSUNのフィラメントは、一般的に印刷設定が容易であることが知られていますが、シルクPLAは素材の特性上、若干の調整が必要な場合もあります。今回は、一般的なPLAフィラメントの設定をベースに、ノズル温度を200℃～215℃、ベッド温度を50℃～60℃の範囲で試してみました。層間接着や表面の質感を考慮して、印刷速度はやや遅めの50mm/sに設定しました。
テスト印刷として、まずは小さな立方体と、複雑な形状のオブジェクトを印刷してみました。結果として、非常にスムーズに印刷でき、特に目立った糸引きやノズルの詰まりは見られませんでした。シルクPLA特有の光沢感は、積層痕をうまく隠してくれる効果もあり、滑らかな表面に仕上がりました。
光沢感と表面の質感
eSUN Silk PLAの最大の特徴である「シルク」のような光沢感は、期待通り、あるいはそれ以上に素晴らしいものでした。特に、光の当たる角度によって表情を変える様は、まるで本物のシルクのような高級感を醸し出します。表面の滑らかさも特筆すべき点で、積層痕が目立ちにくく、後処理なしでも十分なクオリティの造形物が得られます。これは、塗装や研磨といった手間を省きたいユーザーにとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
寸法精度とフィラメントの品質
公称値の寸法精度+/- 0.05mmというのも、実際の印刷結果に反映されていると感じました。テスト印刷したオブジェクトは、非常に正確な寸法で出力されており、精密な部品の造形にも十分対応できる品質です。フィラメントの直径も安定しており、印刷中のトラブルの原因となるような太さのばらつきも確認できませんでした。1KGという十分な量も、大きな造形物を印刷する際に安心感を与えてくれます。
ダークイエローの色合い
ダークイエローという色合いは、非常に落ち着きがありながらも、程よい存在感があります。単なる黄色ではなく、やや茶色みがかった深みのある色合いは、オブジェクトに温かみと高級感を与えてくれます。例えば、古代の遺物のような雰囲気のオブジェクトや、自然をモチーフにした作品など、幅広い用途にマッチする色だと感じました。単色での印刷はもちろん、他の色のフィラメントと組み合わせても、アクセントとして効果的に使用できるでしょう。
印刷時の注意点
シルクPLAは、PLAフィラメントの中でも比較的吸湿しやすい傾向があると言われています。そのため、開封後は乾燥剤と一緒に密閉容器で保管することをおすすめします。もし吸湿してしまった場合、印刷中に表面が荒れたり、糸引きが増えたりする可能性があります。印刷前には、フィラメントが十分に乾燥しているか確認することが重要です。
また、シルクPLAは、その滑らかな表面ゆえに、ベッドへの定着が若干弱い場合があります。初めて印刷する際は、ラフトやブリムを使用したり、ベッドの温度を少し高めに設定したりするなど、定着を補助する設定を試すと良いでしょう。ただし、過度な設定は逆に表面の質感を損ねる可能性もあるため、慎重に調整が必要です。
まとめ
eSUN Silk PLA (ダークイエロー)は、その美しい光沢感、滑らかな表面、そして高い寸法精度で、非常に満足度の高いフィラメントでした。特に、装飾品やディスプレイモデルなど、見た目の美しさが重視される造形物には最適です。ダークイエローという色合いも、温かみと高級感を兼ね備えており、幅広い用途に活用できます。吸湿対策やベッドへの定着といった、シルクPLA特有の注意点を踏まえれば、初心者から上級者まで、誰でもその魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。3Dプリンターの造形物のクオリティを一段階引き上げたいと考えている方には、ぜひ試していただきたいフィラメントです。
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