BASF 3Dプリンター用フィラメント Ultrafuse PET-Natural 2.85mm (1巻) 品番:PET-0301B075
BASF Ultrafuse PET-Natural 2.85mm レビュー:自然な質感と高い汎用性で広がる3Dプリントの世界
日々の3D情報レビューとして、今回はBASFの3Dプリンター用フィラメント、Ultrafuse PET-Natural 2.85mm (品番:PET-0301B075) に焦点を当てて、その感想をレビューします。このフィラメントは、その名の通りPET(ポリエチレンテレフタレート)をベースとしており、近年3Dプリント材料として注目を集めている素材の一つです。Natural(ナチュラル)という名称からも推察されるように、無着色で素材本来の色合いを持つ点が特徴と言えるでしょう。
第一印象と素材感
まず、手に取った瞬間の印象は、非常に滑らかでサラサラとした質感でした。PET素材特有の、やや硬質な印象がありながらも、嫌なザラつきや油っぽさは一切ありません。ナチュラルカラーは、半透明に近い乳白色で、光の当たり方によって様々な表情を見せてくれます。これは、完成品の造形物に上品な雰囲気を与えること間違いなしだと感じました。PLAのようなカチッとした無機質な感じでもなく、ABSのような特有の光沢感とも異なる、独特の風合いが魅力的です。
プリントのしやすさについて
次に、実際のプリントテストに入りました。使用した3Dプリンターは、一般的なFDM方式のデスクトッププリンターです。ビルドプレートへの定着は非常に良好でした。PLAのように特別な工夫を凝らさなくても、安定して定着してくれます。プリント温度は、メーカー推奨値であるノズル温度240~260℃、ベッド温度80~100℃を参考に設定しました。
最初は推奨温度の上限付近で試しましたが、安定した印刷品質を得られたのは250℃前後でした。ベッド温度は80℃で問題なく、反りや剥がれはほとんど見られませんでした。冷却ファンの設定も重要で、あまり強くしすぎると層間剥離の原因になる可能性も考慮し、最初は弱めの設定から開始しました。最終的には、積層痕を滑らかにするために、ある程度の冷却は必要でしたが、ABSほど神経質になる必要はありませんでした。
造形物の品質と後加工
プリントされた造形物は、非常に均一で滑らかな表面品質でした。積層痕も目立ちにくく、特にPLAでよく見られるような、表面の細かな凹凸が少ない印象です。PET素材の特性なのか、ある程度の靭性(粘り強さ)も感じられ、落下などによる脆さを軽減してくれることが期待できます。
後加工についても触れておきましょう。ペイントや接着といった一般的な後加工は問題なく行えました。ナチュラルカラーなので、下地の色を選ばずに塗装できるのも利点です。また、PET素材は耐薬品性にも優れているため、様々な環境下での使用も想定できます。さらに、PETはリサイクル可能な素材であるという点も、昨今の環境意識の高まりを考えると、非常にポジティブな要素と言えるでしょう。
Ultrafuse PET-Natural の魅力と応用分野
このフィラメントの最大の魅力は、その「自然な質感」と「高い汎用性」にあると感じます。PLAの使いやすさとABSの強度、そしてPETならではの独特な風合いを併せ持っているかのようです。
応用分野としては、まず、デザイン性の高いプロダクトの試作や、装飾品、インテリア雑貨などが考えられます。ナチュラルカラーは、どんな空間にも馴染みやすく、素材感を活かした造形に最適です。また、その靭性と耐薬品性から、機能部品の試作や、治具、容器など、実用的な用途にも十分対応できるポテンシャルを秘めています。
総評
BASF Ultrafuse PET-Natural 2.85mm は、3Dプリント初心者から経験者まで、幅広いユーザーにおすすめできるフィラメントです。プリントのしやすさ、造形物の品質、そして素材の持つ可能性を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの高い製品と言えるでしょう。PET素材の特性を理解し、適切なプリント設定を見つけることで、これまで以上に表現の幅が広がることを期待させます。今後、様々なアプリケーションでの活用が楽しみなフィラメントです。
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