BASF 3Dプリンター用フィラメント Ultrafuse GF30-PP-Black 2.85mm (1巻) 品番:PP-4450B070
BASF Ultrafuse GF30-PP-Black 2.85mm (1巻) 品番:PP-4450B070 レビュー
BASF Ultrafuse GF30-PP-Black 2.85mmは、3Dプリンター用フィラメントとして非常に興味深い素材です。本製品は、ポリプロピレン(PP)をベースに、ガラス繊維(GF)を30%配合した強化材であり、その特徴から様々な応用が期待できます。今回は、このフィラメントを実際に使用した感想を、1000文字程度でレビューさせていただきます。
素材の特性と印刷時の印象
まず、Ultrafuse GF30-PP-Blackの最大の特徴は、その強度と剛性です。ガラス繊維が配合されているため、従来のPPフィラメントと比較して格段に高い機械的強度と耐熱性を持ち合わせています。そのため、構造部品や機能部品など、高い耐久性が求められる用途に適しています。
印刷時の印象としては、まずフィラメントの取り扱いやすさに好感が持てました。2.85mmという直径も均一で、私の3Dプリンター(XYZprinting da Vinci Jr. Pro X+)では問題なく供給されました。ただし、PP素材特有の反りやすさは、ガラス繊維配合によってある程度抑制されているものの、完全に無くなるわけではありません。特に大型の造形物を作成する際には、適切なビルドプレートへの接着と、温度管理が重要になります。今回は、ビルドプレートにPVA糊を薄く塗布し、エンクロージャー(筐体)内で印刷を行うことで、反りを最小限に抑えることができました。
印刷温度については、推奨温度範囲(ノズル240-270℃、ベッド100-120℃)を参考に調整しました。ノズル温度をやや高めに設定することで、フィラメントの溶融がスムーズになり、積層痕の目立たない均一な造形が得られやすかったです。ベッド温度は、素材が冷えて収縮する際の反りを防ぐために、高めに保つことが推奨されます。
造形物の仕上がりと応用性
造形物の仕上がりは、ガラス繊維の配合により、マットでやや粗い表面になります。この表面質感は、用途によっては魅力的に映るでしょう。特に、機能部品としての実用性を重視する場合、このマットな質感は高級感を損なわず、むしろプロフェッショナルな印象を与えます。
そして、このフィラメントの真価は、その造形後の性能にあります。印刷された部品は、非常に丈夫で、衝撃や曲げに対しても高い耐久性を示しました。また、PP素材は耐薬品性にも優れているため、化学物質に触れる環境での使用も期待できます。さらに、ガラス繊維配合により耐熱性も向上しているため、ある程度の高温環境下でも形状を維持できる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
具体的な応用例としては、産業用治具、自動車部品、ドローンパーツ、さらにはDIYで強度が必要な部品など、幅広い分野での活用が考えられます。従来のABSやPLAでは強度や耐熱性が不足していた用途でも、このUltrafuse GF30-PP-Blackであれば十分に対応できる可能性があります。
総評と今後の展望
BASF Ultrafuse GF30-PP-Black 2.85mmは、その高い強度、剛性、耐熱性、耐薬品性といった優れた特性から、3Dプリンターの可能性を大きく広げる素材だと感じました。印刷には多少のノウハウが必要ですが、それに見合うだけの価値のある造形物が得られます。
特に、プロトタイピングから実用部品の製造まで、より高度な要求に応えられるフィラメントを探している方には、強くお勧めしたい素材です。今後は、さらに多様な形状や複雑な構造の部品をこの素材で印刷し、その耐久性や実用性を検証していきたいと考えています。3Dプリンターの用途をさらに拡大するための、強力な武器となることは間違いないでしょう。
上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください