eSUN Flexible TPE 3Dプリンターフィラメント TPE 83A 1.75mm径 (黒) レビュー
3Dプリンターを用いて、これまでにない柔軟性と耐久性を兼ね備えた造形物を生み出したいと考えていた私にとって、eSUN Flexible TPE 3Dプリンターフィラメント TPE 83A 1.75mm径 (黒) は、まさに求めていた素材でした。これまでABSやPLAといった硬質な素材を中心に扱ってきましたが、どうしても実現できなかった「曲がる」「しなる」といった特性を持つアイテムの作成に挑戦するために、このTPEフィラメントを導入しました。
開封と第一印象
まず、届いたパッケージから製品を取り出した際の第一印象は、非常に丁寧な梱包だと感じました。1kgのスプールがしっかりと保護されており、輸送中のダメージを心配する必要はありませんでした。スプール自体も綺麗に巻かれており、フィラメントの絡まりなどの問題もなさそうです。カラーは「黒」を選択しましたが、深みのあるマットな黒で、高級感すら感じられます。
素材の質感と特性
eSUN Flexible TPE 83Aは、その名の通り、ゴムのような弾力性を持つ素材です。触った感触は、硬すぎず柔らかすぎず、適度なコシがあり、まさに「しなやか」という言葉がぴったりです。PLAやABSのようなプラスチック感とは全く異なり、手に吸い付くような独特の触り心地が印象的でした。
このフィラメントの最大の特徴は、その「柔軟性」と「耐久性」にあります。積層痕はありますが、完成した造形物は強く引っ張ってもちぎれにくく、折り曲げても元に戻るほどの復元力を持っています。これは、これまで試してきた他のフレキシブルフィラメントと比較しても、群を抜いた柔軟性だと感じました。
印刷設定と印刷結果
印刷設定については、TPEフィラメント特有の注意点があります。一般的に、PLAやABSよりも低い印刷温度と、ゆっくりとした印刷速度が推奨されます。私の使用している3Dプリンターでは、ノズル温度を210℃、ベッド温度を60℃に設定し、印刷速度を30mm/sに調整しました。また、フィラメントの引き出しをスムーズにするために、エクストルーダーのテフロンチューブの出口に工夫を施したり、フィラメントガイドを調整したりするなどの対策も行いました。
初期設定では何度か失敗しましたが、試行錯誤の結果、安定した印刷が可能になりました。
実際に印刷してみて、まず驚いたのは、その滑らかな表面でした。積層痕はありますが、PLAなどで見られるようなシャープすぎるエッジではなく、柔らかな印象の造形物が得られました。特に、複雑な形状や細かいディテールも、歪むことなく綺麗に再現できたことに満足しています。
具体的な使用例と感想
このTPEフィラメントを使って、私はいくつかのプロトタイプを作成しました。例えば、スマートフォンのケース、工具のグリップ、そして小型のロボットアームの関節部分などです。
スマートフォンのケースは、落下の衝撃を吸収してくれるだけでなく、手に持った際のフィット感も抜群でした。また、工具のグリップは、滑りにくく、長時間の使用でも手が疲れにくくなったと感じています。ロボットアームの関節部分に採用したことで、これまでは不可能だった「しなり」や「衝撃吸収」といった動作を実現できるようになり、可能性が大きく広がりました。
TPE 83Aの硬度(ショア硬度)は83Aであり、これは比較的柔らかい部類に入ります。しかし、その柔軟性のおかげで、高い耐久性も備わっています。何度か折り曲げたり、力を加えたりしましたが、破損することなく元の形状に戻りました。これは、日々の使用に耐えうる製品を作る上で、非常に重要な要素だと感じています。
寸法精度についても、+/-0.05mmという高精度は、実際の造形物でも実感できました。特に、部品同士を組み合わせるような精密な造形においても、高い互換性を発揮してくれました。
印刷時の注意点と工夫
TPEフィラメントの印刷には、いくつかの注意点があります。まず、フィラメントのたるみに注意が必要です。エクストルーダーからフィラメントがスムーズに供給されないと、印刷品質に大きく影響します。また、ベッドへの定着も、PLAなどに比べてややコツが必要かもしれません。私の場合は、ビルドシートにケミカル(接着促進剤)を塗布することで、安定した定着を実現しました。
さらに、TPEは湿気を吸収しやすい性質があるため、保管には十分な注意が必要です。開封後は、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて保管することをお勧めします。
まとめ
eSUN Flexible TPE 3Dプリンターフィラメント TPE 83A 1.75mm径 (黒) は、その優れた柔軟性、耐久性、そして高い寸法精度から、3Dプリンター愛好家にとって非常に魅力的な素材です。これまで諦めていた「曲がる」「しなる」造形物の作成を可能にし、3Dプリンターの可能性を大きく広げてくれます。印刷設定には多少の慣れが必要ですが、それを乗り越えれば、期待以上の高品質な造形物を得ることができるでしょう。柔軟性、耐久性を重視するプロジェクトには、自信を持ってこのフィラメントをお勧めします。
上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください

