BASF 3Dプリンター用フィラメント Ultrafuse TPU85A-Natural 2.85mm (1巻) 品番:TPU-2101B075
BASF Ultrafuse TPU85A-Natural 2.85mm (1巻) 品番:TPU-2101B075 レビュー
BASFのUltrafuse TPU85A-Natural 2.85mm、品番TPU-2101B075のフィラメントを実際に使用し、その使用感と印刷結果についてレビューします。TPUフィラメントは、その柔軟性と耐久性から様々な用途で重宝されますが、特にこのUltrafuse TPU85Aは、どのような特徴を持っているのでしょうか。
初期印象と開封
まず、届いた梱包はしっかりとしており、フィラメントの品質に対するBASFのこだわりが感じられました。リールに巻かれたフィラメントは、乱れもなく、均一な太さで巻かれていました。Naturalカラーということで、自然なオフホワイトのような色合いで、派手さはありませんが、落ち着いた印象です。2.85mmという太さは、一般的に普及している1.75mmよりもやや太いですが、私の使用している3Dプリンターはこの太さにも対応しています。開封時の匂いは、TPU特有のゴムっぽい香りがかすかにしますが、不快なほどではありません。
印刷設定と印刷プロセス
今回の印刷では、一般的なTPU85Aの推奨設定を参考に、ノズル温度210℃、ベッド温度60℃で印刷を開始しました。TPUフィラメントは、その柔軟性から印刷が難しいと敬遠されることもありますが、Ultrafuse TPU85Aは比較的扱いやすい部類だと感じました。ボーデン式エクストルーダーでも、過度な糸引きや詰まりもなく、スムーズに供給されました。ただし、TPUは一般的に印刷速度が遅めになるため、今回は30mm/s程度で印刷しました。レイヤー間の接着性も良好で、積層痕も目立ちにくく、均一な印刷が期待できます。
印刷結果と物性評価
印刷されたモデルは、期待通りの柔軟性と弾力性を持っていました。TPU85Aという硬度表記の通り、適度な硬さと高い復元力を兼ね備えています。85Aという硬度は、硬すぎず柔らかすぎず、まさに「ちょうど良い」と感じるバランスです。指で押してもすぐに元に戻り、曲げても白い跡が残りにくいのは、品質の高さを物語っています。
耐摩耗性や耐油性といったTPUの特性も、このフィラメントであれば期待できるでしょう。具体的な用途としては、スマートフォンのケース、工具のグリップ、クッション材、ロボットのタイヤなど、衝撃吸収性や柔軟性が求められる部品に最適だと感じました。また、Naturalカラーなので、後から塗装や染色をする際にも、下地として使いやすいでしょう。
使用上の注意点と改善点
TPUフィラメント全般に言えることですが、保管には注意が必要です。湿気を吸いやすいため、使用しない時は密閉容器に入れ、乾燥剤と一緒に保管することが推奨されます。今回の使用では特に問題は感じませんでしたが、長期間の保管や湿気の多い環境での使用では、印刷品質に影響が出る可能性があります。
また、TPUはリトラクション設定が重要です。設定が強すぎるとフィラメントが詰まりやすくなり、弱すぎると糸引きが目立ちます。このUltrafuse TPU85Aでも、最適なリトラクション設定を見つけるために、何度かテスト印刷を行いました。プリンターやエクストルーダーの種類によって最適な設定は異なるため、最初は少量ずつ調整しながら進めるのが良いでしょう。
総評
BASF Ultrafuse TPU85A-Natural 2.85mmは、高品質で扱いやすいTPUフィラメントとして、非常に満足できる製品でした。その柔軟性、弾力性、そして適度な硬度は、様々なクリエイティブな用途に応用できるポテンシャルを秘めています。3DプリンターでのTPU造形に挑戦したい初心者の方から、より高性能なTPUを求める経験者まで、幅広くおすすめできるフィラメントです。BASFという信頼できるメーカーの製品であることも、安心して使用できる大きな要因と言えるでしょう。TPU造形の可能性を広げてくれる、価値のある一本だと感じました。
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