ポリメーカー(Polymaker)3Dプリンター用ナイロンフィラメントPolyMideCoPA1.75mm黒

３Dプリンタ・材料等

2025.11.22

PolyMide CoPA 1.75mm 黒：高機能ナイロンフィラメントの実力

PolyMide CoPA 1.75mm 黒：高機能ナイロンフィラメントの実力

はじめに

PolyMide CoPA 1.75mm 黒は、3Dプリンター用フィラメントメーカーとして確固たる地位を築いているポリメーカー（Polymaker）が提供する、高機能ナイロンフィラメントです。ナイロン素材特有の優れた機械的特性に加え、ポリメーカー独自の技術により、これまで3Dプリントが難しかったとされるナイロンの課題を克服した製品として注目されています。今回は、この PolyMide CoPA を実際に使用し、その性能と使い勝手について詳細なレビューをお届けします。

開封と第一印象

製品は、ポリメーカーらしいしっかりとした箱に梱包されており、フィラメントの品質へのこだわりが伺えます。リールに巻かれた PolyMide CoPA は、黒色で均一な光沢があり、表面に糸引きやムラは見られません。触り心地も滑らかで、期待感を抱かせます。リールには COPA のロゴとフィラメントの情報が明記されており、管理しやすい点も好印象です。

印刷設定と難易度

ナイロンフィラメントは、一般的に高温での印刷と、反り（ワーピング）対策が重要となります。 PolyMide CoPA も例外ではなく、推奨される印刷温度はノズルで 250-270℃、ヒートベッドで 80-100℃ と、一般的なPLAやABSよりも高い温度設定が必要です。

印刷の難易度については、ポリメーカーの「EasySiphon」技術が採用されているため、従来のナイロンフィラメントと比較して格段に扱いやすくなっていると感じました。特に、反り（ワーピング）の抑制に顕著な効果が見られます。ビルドプレートへの定着は良好で、適切な温度管理と、場合によってはヘアスプレーなどの定着補助剤を使用することで、大型の造形物でも剥がれる心配はほとんどありませんでした。ただし、換気の良い環境での印刷は必須です。ナイロン特有の臭いはありますが、強烈なものではありませんでした。

印刷品質と造形物

実際に印刷した造形物は、ナイロンならではのしなやかさと強靭さを兼ね備えています。表面は滑らかで、層間の接着も非常に強く、積層痕は目立ちにくいです。 PolyMide CoPA は、その高い耐熱性と耐薬品性も特徴としており、高温下や薬品に晒される環境での使用に適した部品の製造が可能です。

例えば、工具や機械部品、自動車関連のパーツなど、高い耐久性が求められる用途でその真価を発揮するでしょう。また、そのしなやかさから、ヒンジ部分や、多少の衝撃吸収が求められる部品にも応用できそうです。黒色も深みがあり、落ち着いた仕上がりで、工業製品のような質感を得られます。

機械的特性と耐久性

PolyMide CoPA の最大の魅力は、その優れた機械的特性にあります。具体的には、高い引張強度、耐衝撃性、耐摩耗性に優れています。これは、積層された層同士の接着が強固であることに加え、ナイロン素材自体の持つ強靭さに起因すると考えられます。

通常のPLAやABSでは破損してしまうような負荷にも耐えることができ、実用的な部品を製造する上で非常に心強い存在です。また、耐熱性も高く、自動車のエンジンルーム内など、高温になる環境下での使用も視野に入れた部品開発に貢献します。耐薬品性も優れているため、溶剤や油などが触れる環境でも劣化しにくいという利点もあります。

まとめ

PolyMide CoPA 1.75mm 黒は、高機能ナイロンフィラメントとして、その期待を大きく上回る性能を発揮する製品でした。従来のナイロンフィラメントが抱えていた印刷の難しさを、ポリメーカー独自の技術で解消し、より多くのユーザーがナイロンの優れた特性を享受できるようになっています。

優れた機械的強度、高い耐熱性、耐薬品性、そして良好な印刷性を兼ね備えた PolyMide CoPA は、プロトタイピングはもちろん、最終製品としての利用も十分に可能なレベルです。特に、高い耐久性や耐熱性が求められる実用的な部品を3Dプリントしたいと考えているユーザーには、強くお勧めできるフィラメントです。価格はやや高めですが、その性能と得られる造形物の品質を考えれば、十分なコストパフォーマンスと言えるでしょう。