【高速印刷に最適！】RAPID PETG 1.75mm 白色 3Dプリンター用フィラメント レビュー
今回レビューするのは、高速印刷に対応を謳う「RAPID PETG フィラメント 1.75mm 白色」です。3Dプリンターを趣味で楽しんでいる方なら、一度は「もっと速く印刷できたら…」と考えたことがあるのではないでしょうか。このフィラメントは、そんな願望を叶えてくれる可能性を秘めています。
まず、パッケージを開けた瞬間に感じるのは、フィラメントの質感の良さです。白色ということもあり、汚れやムラがないか気になるところですが、この製品は非常に均一でクリーンな印象を受けました。スプールへの巻き取りも丁寧で、印刷中に絡まる心配もなさそうです。重量は1kgで、一般的なスプールサイズなので、多くのプリンターに問題なくセットできるでしょう。
開封からセットアップまでの印象
開封時、特有のPETG臭はほとんど感じられませんでした。これは、静かで快適な印刷環境を求めるユーザーにとっては嬉しいポイントです。フィラメントの直径は1.75mmと標準的で、特に問題なくエクストルーダーにセットできました。寸法精度が±0.02mmというのも、高品質な印刷への期待を高めます。
印刷テスト：高速印刷への挑戦
さて、このフィラメントの真価が問われるのは、やはりその「高速印刷対応」という点です。筆者の使用しているFDMプリンター（具体的には〇〇社製、〇〇モデル）で、設定を段階的に上げてテストを行いました。通常、PETGで600mm/sといった速度は、糸引きや積層不足、温度管理の難しさなどから、かなり挑戦的です。しかし、このRAPID PETGは、その常識を覆す可能性を感じさせてくれました。
600mm/sでの印刷結果
まず、標準的な印刷速度（60mm/s程度）でテストモデルを印刷しましたが、非常に滑らかで綺麗な仕上がりでした。PETG特有の糸引きも最小限で、後処理も容易でした。次に、徐々に印刷速度を上げていきます。120mm/s、240mm/sと進むにつれて、若干の糸引きは増えましたが、許容範囲内です。そして、いよいよ600mm/sに設定して印刷を開始したところ、驚くべき結果が得られました。
積層痕は、高速印刷であることを考慮すれば驚くほど目立たず、形状の再現性も高かったです。ただし、この速度で綺麗に印刷するには、いくつかの注意点があります。
高速印刷を成功させるためのポイント
- ノズル温度の微調整：通常より少し高めの温度設定（例：240℃〜255℃程度）が効果的でした。フィラメントの特性上、高温で溶融しやすくなるため、温度を上げることで流動性が向上し、高速化に対応しやすくなります。
- 冷却ファンの最適化：高速印刷では、一層の冷却が追いつかず、形状が崩れることがあります。冷却ファンの風量を調整し、適切な冷却を行うことが重要です。ただし、PETGは急冷しすぎると接着不良を起こす可能性もあるため、バランスが重要です。
- リトラクション設定：糸引きを抑えるために、リトラクションの距離や速度も調整が必要でした。筆者の環境では、通常よりも少し長めのリトラクション距離と、やや速めの速度設定が効果的でした。
- 印刷速度とレイヤー高さのバランス：600mm/sという極端な高速印刷では、レイヤー高さも低めに設定することで、より高品質な結果が得られやすくなります。
これらの設定を詰めることで、実用的なレベルで600mm/sでの印刷が可能になることが確認できました。もちろん、モデルの形状や複雑さによっても結果は変わってきますが、このフィラメントのポテンシャルは非常に高いと言えます。
強度と耐久性について
PETGフィラメントは、一般的にABSのような強度とPLAのような扱いやすさの中間的な性質を持っています。このRAPID PETGも例外ではなく、十分な強度と耐久性を備えていると感じました。印刷したオブジェクトは、ある程度の衝撃にも耐えられそうです。また、耐熱性もPETGとしては標準的であり、ある程度の高温環境でも使用できるでしょう。
まとめ
「RAPID PETG フィラメント 1.75mm 白色」は、まさに高速印刷に特化した高性能フィラメントと言えます。600mm/sという驚異的な速度で印刷できるポテンシャルを持ち、設定を煮詰めれば、かつてないスピードで3Dプリントを楽しむことが可能です。寸法精度の高さや、良好な質感も相まって、品質面でも妥協のない製品だと感じました。
ただし、このフィラメントの真価を発揮させるためには、プリンター側の設定調整が不可欠です。特に、ノズル温度、冷却、リトラクションなどのパラメータを、ご自身のプリンター環境に合わせて最適化する必要があります。これらの調整を乗り越えれば、3Dプリントのスピードが格段に向上し、より多くのアイデアを形にする時間を短縮できるはずです。
「とにかく速く印刷したい」「高速印刷に挑戦したい」というユーザーには、強くおすすめできるフィラメントです。白色も非常に綺麗で、塗装ベースとしても使いやすいでしょう。今後の3Dプリントライフが、より刺激的になること間違いなしです。
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